1. 2025年10月からの変更点 ― ポイント還元の禁止

総務省のルール改正により、2025年(令和7年)10月1日以降、寄附者にポイントを付与する仲介サイトを通じたふるさと納税の募集ができなくなりました。影響を受けるのは仲介サイトが独自に付与していたポイント還元のみで、寄附金控除の仕組み(自己負担2,000円・控除上限)そのものは変わりません。

クレジットカード決済に伴う通常のポイント付与(一般の商取引としてのポイント)は対象外です。今後は「ポイント還元率」ではなく、返礼品そのものの魅力や自治体の取り組みで選ぶ、という本来の形に近づくことになります。

2. ワンストップ特例が使える条件

ワンストップ特例は、3条件をすべて満たす人向け
確定申告が不要給与所得者など、ほかに申告理由がない
寄附先は5自治体以内寄附件数ではなく自治体数で判定
期限内に申請翌年1月10日までに各自治体へ提出

ワンストップ特例制度は、確定申告をしなくても寄附金控除を受けられる簡便な仕組みです。次のすべてを満たす場合に利用できます。

  • ふるさと納税以外に確定申告が不要な給与所得者等であること
  • 医療費控除・住宅ローン控除(初年度)など、他の理由で確定申告をする必要がないこと
  • 1年間(1〜12月)の寄附先が5自治体以内であること(同一自治体への複数回の寄附は1自治体としてカウント)
  • 寄附ごとに申請書を、翌年1月10日必着で各自治体へ提出していること

3. ワンストップ特例と確定申告、控除の受け方の違い

項目

ワンストップ特例

確定申告

控除される税目

住民税のみ(全額を翌年度分から控除)

所得税(還付)+住民税(控除)に分かれる

控除額の総額

同じ(手続き方法が違うだけで、負担軽減額に差はない)

寄附先の数

5自治体まで

制限なし

4. 見落としがちな「無効化」の落とし穴

あとから確定申告をすると、ワンストップ特例は無効になる
ワンストップ申請5自治体以内へ申請済み
医療費控除などで確定申告ワンストップはすべて無効
寄附を再記載確定申告で控除を受け直す

確定申告書には、ワンストップ申請済みの寄附も含めて、ふるさと納税の全額を記載し直します。

医療費控除などで確定申告した瞬間、ワンストップ特例はすべて無効
ワンストップ特例の申請を済ませていても、年明けに医療費控除など別の理由で確定申告をすると、ワンストップ特例の申請はすべて無効になります。この場合、確定申告書にふるさと納税分もあわせて記載し直す必要があります。「ワンストップは出したから大丈夫」と油断して確定申告書にふるさと納税を書き忘れると、控除自体が受けられなくなるので注意してください。

住宅ローン控除は初年度だけ確定申告が必要なので、その年にふるさと納税を行った場合はワンストップ特例ではなく確定申告で処理する必要があります(2年目以降、年末調整で住宅ローン控除を受ける年は、ワンストップ特例が引き続き使えます)。

5. 実務のポイント

控除上限額は、その年の所得や他の控除(住宅ローン控除・医療費控除・iDeCoなど)によって変動します。年の途中の見込みで多めに寄附してしまうと、上限を超えた分は自己負担になるため、年末に所得の着地が見えてから寄附額を最終調整するのが手堅い進め方です。

経営者の方や個人事業主の方は、そもそもワンストップ特例の対象外で確定申告での申告になります。役員報酬や決算賞与で所得が変動しやすい場合は、決算の着地見込みが固まってから寄附額を決めることをおすすめします。