西原公認会計士・税理士事務所

税務コラム

法人税・消費税・所得税・事業承継・相続税まで、実務で役立つ情報を発信しています。

税務コラム VOL.100 / 令和8年度税制改正・総まとめ

「成長型経済」を目指す一年の改正 ― 令和8年度税制改正のポイント総まとめ(第100回)

令和8年度税制改正は「物価上昇への対応」と「賃上げ・投資が牽引する成長型経済」を柱に据えた改正個人には基礎控除・給与所得控除の引き上げ(178万円の壁)、法人には大胆な設備投資促進税制が目玉見落とされがちな改正として、食

税務コラム VOL.99 / 法人税・医療法人

「身内の会社だから」で価格は決められません ― 医療法人とMS法人の取引、税務上の中心論点は「価格の妥当性」

MS法人は、医療法人が担えない不動産賃貸・物品販売・事務受託等を行う、法律上は普通の株式会社・合同会社税務上の中心論点は「取引価格の妥当性」。相場より高い対価は寄附金・役員給与認定のリスクがある医療法人は保険診療(非課税

税務コラム VOL.98 / 消費税・軽減税率

同じハンバーガーなのに、税率が変わります ― 軽減税率制度、店舗事業者が押さえるべき判定基準

軽減税率(8%)の対象は「酒類・外食を除く飲食料品」と「週2回以上発行の新聞(定期購読)」の2種類のみ外食かどうかは「飲食設備での提供か」「顧客に飲食させるサービスか」で判定し、注文時点の顧客の意思表示で税率が決まる食品

税務コラム VOL.97 / 消費税・輸入取引

通関業者の名義で申告すると、控除が受けられません ― 消費税の輸入取引、「輸入申告者は誰か」が仕入税額控除を左右する

海外から貨物を輸入すると、保税地域から引き取る時点で消費税(輸入消費税)が課税される輸入取引の消費税は「対価を得て行う」という要件がなく、無償の引取りでも課税される仕入税額控除を受けられるのは「輸入申告者」本人のみ。通関

税務コラム VOL.96 / 法人税・減価償却

何もしなければ「定率法」が適用されています ― 減価償却方法の届出と変更、建物は選択の余地がない点に注意

法人の法定償却方法は「定率法」。届出をしなければ自動的にこれが適用される機械装置・車両・工具器具備品などは、届出をすれば定額法に変更できる建物・建物附属設備・構築物・ソフトウェアは定額法のみで、そもそも選択の余地がない償

税務コラム VOL.95 / 法人税・有価証券

「50%以上値下がりした」だけでは損金にできません ― 有価証券の評価損、税務上は「回復見込みなし」の証明が別途必要

法人税では原則、時価の下落だけを理由に評価損を計上することはできない上場株式は「期末の時価が帳簿価額のおおむね50%を下回り、かつ近い将来回復が見込まれない」場合に評価損の損金算入が認められる非上場株式は発行会社の資産状

税務コラム VOL.94 / 法人税・貸倒損失

「たぶん回収できない」では損金にできません ― 貸倒損失、法律上・事実上・形式上の3類型を使い分ける

貸倒損失は「法律上」「事実上」「形式上」の3類型(法人税基本通達9-6-1〜3)のいずれかに該当しないと損金算入できない法律上の貸倒れは損金経理不要(計上を忘れても更正の請求で取り戻せる)が、事実上・形式上は損金経理が必

税務コラム VOL.93 / 法人税・保険差益

火災保険金にも、法人税がかかります ― 保険差益の圧縮記帳、被災した設備の再取得を後押しする制度

火災・事故等で固定資産が滅失し保険金を受け取ると、保険差益(保険金-経費-簿価)は法人税の課税対象になる同種の代替資産を取得すれば、保険差益を代替資産の取得価額から圧縮記帳でき、課税を将来に繰り延べられる対象になるのは固

税務コラム VOL.92 / 法人税・企業版ふるさと納税

寄附額の9割が税金の軽減に化けます ― 企業版ふるさと納税、令和9年度まで延長された法人向け寄附税制

企業版ふるさと納税は、国が認定した地方創生プロジェクトに法人が寄附すると、損金算入(約3割)+税額控除(最大約6割)=寄附額の最大約9割が軽減される制度令和7年度税制改正で適用期限が3年延長され、令和9年度(〜令和10年

税務コラム VOL.91 / 附帯税・ペナルティ税制

その追徴課税、経費にはできません ― 加算税・延滞税の全体像、令和6年から無申告加算税が一段と重くなりました

「附帯税」は、本税に上乗せされる加算税(過少申告・無申告・不納付・重加算税)と延滞税・利子税の総称令和6年1月以後に法定申告期限が到来する分から、無申告加算税に「300万円超の部分は30%」という新区分が追加された最も重

税務コラム VOL.90 / 法人税・電子申告

紙で提出した申告書が「無申告扱い」になることがあります ― 大法人のe-Tax義務化、増資・減資のタイミングに潜む落とし穴

事業年度開始時に資本金1億円超の内国法人等は、法人税・消費税等の申告をe-Taxで行うことが義務義務化対象法人が紙で申告書を提出すると、その申告は「無申告」として扱われる判定は事業年度「開始の時」で行うため、期中の減資で

税務コラム VOL.89 / 業務委託・法令遵守

「資本金1,000万円以下だから関係ない」は誤解です ― フリーランス新法、外注先を持つすべての事業者が対象になり得ます

令和6年11月施行のフリーランス新法は、資本金の額にかかわらず、従業員を使用するすべての発注事業者が対象下請法(資本金1,000万円超の法人のみ対象)とは適用範囲が異なる点が最大のポイント業務委託の際は取引条件を書面等で

税務コラム VOL.88 / 法人税・グループ間取引

子会社を助けたつもりが、寄附金認定されることも ― グループ会社間の無利息貸付・低利貸付、「相当な理由」の作り方

親会社が子会社に無利息・低利で貸付けを行うと、本来受け取るべき利息相当額が寄附金とみなされ得る子会社の倒産防止のためにやむを得ず行う合理的な再建計画に基づくものであれば、寄附金に該当しない100%グループ内の完全支配関係

税務コラム VOL.87 / 法人税・解散清算

会社をたたむのに、最低2回の確定申告が必要です ― 会社解散・清算の税務、期限切れ欠損金という最後の切り札

会社の解散・清算では「解散事業年度」「清算事業年度」「残余財産確定事業年度」ごとに、それぞれ確定申告が必要通常の繰越欠損金を使い切っていても、残余財産がないと見込まれる(債務超過)場合、期限切れ欠損金を損金算入できる残余

税務コラム VOL.86 / 消費税・インバウンド免税

免税店の会計処理、2026年11月に一変します ― 「購入時免税」から「リファンド方式」へ、免税店経営者が今から備えること

令和8年(2026年)11月1日から、外国人旅行者向け消費税免税制度が「リファンド方式」に全面移行する免税店はまず税込価格で販売し、購入者が出国時に税関で持出し確認を受けた後に、消費税相当額を返金(リファンド)する仕組み

税務コラム VOL.85 / 消費税・非課税取引

「非課税」は13項目しかありません ― 消費税の非課税取引一覧と、間違えやすい"例外の例外"

消費税の非課税取引は消費税法別表第二に定める13項目の限定列挙。これ以外は非課税にならない13項目は「消費になじまない取引」(土地・有価証券・利子等)と「社会政策的配慮」(医療・介護・住宅等)の2グループ同じ項目でも条件

税務コラム VOL.84 / 法人税・使途秘匿金

「赤字だから税金はゼロ」が通用しない支出があります ― 使途秘匿金課税、支出額の40%が問答無用で加算される仕組み

使途秘匿金とは、相当の理由なく、支出先の氏名・住所・支出理由を帳簿に記載していない金銭の支出通常の損金不算入に加え、支出額の40%が法人税に上乗せされる(租税特別措置法62条)この40%加算は赤字法人であっても課される(

税務コラム VOL.83 / 法人税・消費税・出向

グループ会社への出向、給与を誰が払うかで課税が変わる ― 出向者給与負担金の税務、「較差補填金」の合理性がカギ

出向者の給与は、労務の提供を受ける出向先が全額負担するのが税務上の原則出向元が負担する場合、合理的な理由がなければ「寄附金」として扱われる給与負担金は、金額・支払方向にかかわらず消費税は不課税(人材派遣とは異なる扱い)出

税務コラム VOL.82 / 地方税・事業所税

オフィス移転で、突然かかる税金があります ― 事業所税、対象都市だけに存在する見落としやすい税目

事業所税は、東京23区や政令指定都市など人口30万人以上の一部の都市だけで課税される目的税床面積に対する「資産割」(免税点1,000㎡超)と、給与総額に対する「従業者割」(免税点100人超)の2種類がある免税点以下でも床

税務コラム VOL.81 / 法人税・所得税・自己株式

「株を会社に買い取ってもらう」だけでは済みません ― 自己株式の取得で発生する「みなし配当」という税務上の罠

会社が株主から自己株式を買い取ると、対価のうち資本金等の額を超える部分が「みなし配当」として扱われる個人株主が受け取るみなし配当は非上場株式の場合、総合課税(最大約55%)となり、通常の株式譲渡(20.315%)よりはる