1. 附帯税とは ― 本税に上乗せされるペナルティの総称
附帯税とは、本来納めるべき税金(本税)に加えて課される加算税・延滞税・利子税の総称です。加算税はさらに過少申告加算税・無申告加算税・不納付加算税・重加算税の4種類に分かれます。それぞれ発生する状況と税率が異なるため、状況ごとに整理しておくことが重要です。
2. 過少申告加算税 ―「期限内には出したが、金額が少なかった」
期限内に申告書を提出したものの、後日の修正申告・更正で税額が増えた場合に課されます。税率は新たに納める税額の10%(当初申告税額または50万円のいずれか多い額を超える部分は15%)。税務署からの調査通知の前に自主的に修正申告をすれば、この加算税自体がかかりません(VOL.60・67で解説したとおり、早期の自主修正が最も有利です)。
3. 無申告加算税 ―「期限内に申告自体をしなかった」
申告期限内に申告書を提出しなかった場合に課されます。令和6年1月1日以後に法定申告期限が到来する国税から、税率の区分が変わりました。
納付税額 | 税率 |
|---|---|
50万円以下の部分 | 15% |
50万円超300万円以下の部分 | 20% |
300万円超の部分 | 30%(令和6年改正で新設) |
ただし、税務調査の通知前に自主的に期限後申告をすれば税率は一律5%に軽減されます。また、期限後申告であっても法定申告期限から1か月以内に自主的に行われ、かつ期限内申告をする意思があったと認められる一定の場合には、無申告加算税自体が課されません。300万円超の部分に30%という重い税率が新設された背景には、あえて無申告のままにして多額の利益を稼ぐような悪質なケースへの対応があります。
4. 不納付加算税 ―「源泉徴収した税金を納めなかった」
給与や報酬から源泉徴収した所得税を、法定納期限までに完納しなかった場合に課されます。税率は原則10%ですが、税務調査の通知前に自主的に納付すれば5%に軽減されます。源泉所得税の納付漏れは、多くの会社で発生しやすいミスの一つです(VOL.07の納期の特例と合わせて期限管理を徹底することが重要です)。
5. 重加算税 ― 最も重いペナルティ
過少申告・無申告・不納付のいずれかにあたる場合で、税額計算の基礎となる事実を隠蔽・仮装していたときは、それぞれの加算税に代えて重加算税が課されます。
- 過少申告加算税・不納付加算税に代える場合:35%
- 無申告加算税に代える場合:40%
さらに、過去5年以内に無申告加算税や重加算税を課された経歴があるなど、隠蔽・仮装を繰り返している場合は、さらに10%上乗せされ、最大で50%という極めて重い税率になります。重加算税が課されると、税務調査の対象期間も通常より延び(最大7年)、追徴額が本税とほぼ同水準になることも珍しくありません。
6. 延滞税 ― 「利息」に相当するペナルティ
法定納期限までに税金を完納しなかった場合、納期限の翌日から実際に納付する日までの日数に応じて課される、いわば延滞利息です。納期限の翌日から2か月間は低い割合、それ以降はより高い割合が適用され、割合は毎年の金利情勢に応じて見直されます。
実務メモ:附帯税は、いずれも法人税の計算上、損金に算入できません(所得税の必要経費にもなりません)。追徴された本税は将来の損金計上等で調整できる余地がある場合もありますが、加算税・延滞税は純粋な負担増として最後まで残ります。「追徴されても税引き後は大した負担ではない」という感覚は禁物です。
7. 実務のポイント
附帯税の負担を最小限に抑える最も確実な方法は、期限内の正しい申告・納付です。誤りに気づいた場合は、税務調査の通知を待たず自主的に対応することが、附帯税の負担を大きく左右します。
申告内容にご不安がある場合や、期限管理体制の整備についてご相談があれば、お気軽にお問い合わせください。